着物の襟を/
蝶澤
「そんなふうに泣いて呉れるな」
首にまとわりつく女よ
愛しい、指に幾つもの接吻を
激しく華が咲く季節夜空
余計な事情と感情がなけりゃ幸福と
簡単に馬鹿に成れぬ
「貴様は何が1番好きなのだ」
貴方の音楽が聴きとう御座います
もっと愛でろ
涙でその胸を冷やせ
目を合わせ疎通
ほんの一瞬恍惚
もう何も失いとう在りません
馬鹿な女
「ここに居るだらう」
花火で掻き消す恥じらい
戻る
編
削
Point
(0)