追想/
桐野晴
大切なものができた
とても儚いもので
壊れやすかった
失ってしまった
いっぱい呼んだのに
届かなかった
あの頃は若かったなどと
モノクロになった
フリをする
強く、
弱く、
守っていた
壊れやすいものだから
薔薇の花弁が散ったように
儚く
はっきりとした
消えない
あぁ 強い
未だ 艶やかなんだから
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