「カーテン」/菊尾
 
酷いことばかり考えてるね 
眠ったふりして誰かの心配をやりすごす 
物音一つが反響していく 
さっき飲んだことも忘れてしまいそう 
記憶に無い人が笑うが一体何が楽しいのだろう 
落ち着いてと宥められても 
話し方や仕草が気になって落ち着けない 
視界の端にチラつく僅かな余白 
抱いてくれるなら無言で抱いてほしい 
大丈夫なのはあなただけ 
知っていたはずだよ 
あなたは痛みだけ置いていくってこと 
見え透いた言葉なのに嘘だなんて疑わないで 
在りのままなんて見せられずに
ただ破綻していくことを知っていたのにね 
どうしてそんな風に物怖じしないで 
どうし
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