おまえ/フクロネヅミ
 
おまえはあの日で出来ていて
爪の先には昨日の日付が
小さな黒字で書かれてる

おまえ、おまえよ
ぱちんと弾いた爪の
かけたものの飛んだ先は
明日ではないのだ

おまえ、おまえよ
体を洗って剥かれた部分に
明後日を思えば
何もなかったことになるのだ

便利だな、おまえよ
もう味噌汁の具を覚えてないだろう

オいたな
老いたな、おまえよ


わたしがしらないあの日のおまえが
今日のわたしに惚れるから
何も出来ないわたしの胸は
おまえのほほの新聞なんだよ

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