目覚める前に/よしおかさくら
 
あのひとのいる
夢の味はコーヒー
苦く透きとおって
わたしの肌の内側を
密かに磨き上げる
砂糖もミルクも要らない
香りが逃げてしまう前に
その温もりをちょうだい

あのひとがいる
わたしの心のなかに
よく覚えている
コーヒーと同じ魅力

香りが逃げてしまう前に
その温もりをちょうだい
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