「都」/
菊尾
た幻想は夢より残酷で
ぶれてしまった軸に戸惑わされて
鏡で見る自分に違和感を感じてる
黒い木々がざわつく
影が蒸気のように踊る
声は届かない
息がもたない
行方知れずの僕と君の場所
今では何もかも砕けてしまったんだ
夢遊病のような僕らが集う都には
季節なんて存在しない
忘れるまでそこに居る
今日も一人また一人
知らない誰かがやってくる
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