春の/李伍 翔
 


宵の群青

まぁるい月に

控えめな 冬の星


薄い 雲は

氷の飛礫

凛とした

空気の冷たさは

春めく景色に

待ったをかけて

早咲きの花々を

無惨にも こおらせて


すぐそこにある

あたたかな 季節 を

ひとり ひたすら

歩いていく

別れ も 出会い も

ぜんぶ すり抜けて


僕 を 歩いていく
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