卒業/
小川 葉
記号となった
分岐点のひとつひとつが
日付変更線を
越えていく
書き忘れた欄に
いつか名前は記されるから
鳥に名前はなくても
南の島は待っている
春は匂いなのに
雪はこの胸にある
踏みしめて下校した
君がいる
湿っぽいのは嫌だから
やがて来る夏のこと
秋、そして冬へと
思い出す春
明日のこと
そして過ぎてしまう
今は穏やかに
時の数だけ無意識が
意識の風に
吹かれている
戻る
編
削
Point
(3)