魚でありたい/
赤澤るろる
銀の海を游いだ
波一つない静寂の一時
ボクは魚になった
灰色の曇の波に月が溺れた
ボクは心配でたまらない
深く深く飲み込まれていく
やがて月は闇にとけた
ボクはずっと空を見つめた
曇の隙間に目を凝らす
月が消え失せ太陽が登り始める
すると太陽の光がボクをさらおうとするではないか。
ボクは必死になって海の底にとけようとした
目を醒ますとベッドの中、
やがてボクは真っ黒な現実の闇にとけた。
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