14歳/亜樹
小説や漫画、テレビの中で
世界を救う、君。
14歳の君。
どういうわけだか、
いつだって14歳の君。
なんだって出来ると
なんにでもなれると
傲慢なほどの自信と確信をもって
どこまでもどこまでも翔けてゆける、
目映いほどに明るい人よ
その傲慢さと強引さを許される
明るい時代を生きる人よ。
知っているかい。
私も昔は14歳だった。
君が何かと反抗を繰り返す学校の先生も
会社と家とを往復するだけの父親も
何十年か前は14歳だった。
世界を救う可能性を秘めた、14歳の少年だった。
それが15歳になり、16歳になり、20歳になって、
その可能性は途絶えてしまっ
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