麻痺/鈴木
 
 或る三等星を巡る地球は虹に袂があって
 生む糞は三千年の香り
 春秋の朝日に照り映え雨露に溶けず佇んでいる
 五寸ほどの身
 中心を分かつひび
 通る風が言葉を作る
 
 一頭の牝牛が母の病身を癒す法を尋ねた

 arba arba toco rarba
 sumneitcrace sikisame
 tocorco sasa peeseen

 呼吸をやめた顔に浮く
 漆のような
 皺のできた
 崩れかけた目に寄せた夢である
 へたくそなリコーダーを聞く
 割れた高いレと汗と涎から成る有機化合物
「夏」
 の為にスコップを振るうのだ
 先端の錆が掘る砂
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