[生命線]/東雲 李葉
あるいは誰も何の興味も無いかもしれない。
再生紙100%の紙面の隅にちょこっと名前が載る程度。
そういえば、誰もお家を知らないから茶色になるまで独りかも。
そしたら、誰が私だったものをきれいに処分するのだろう。
一体何人が、私の消失を知り、
一体何人が、私のそれを悼むんだろう。
分からない。だって私の名前、インターネットの何処にも無い。
しに、たい、けど、
こ、わ、いよ。
呼吸さえも害悪なのに止まってからも迷惑なんて。
そんなの絶対、イヤ、イヤ。
そうだ手紙を書こう。10年前の自分へ。
こんにちは、まだ生きてるの。早く んだら。
あ、あ、あ。なんて残酷。
思い出したら泣ける言葉。
なのにどうして独りで泣けない?
ねぇ、「さよなら」って電話したら貴方は会いに来てくれる?
終電まで待ってる、なんて、馬鹿ね未練が振り切れない。
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