青い満月/よしおかさくら
手紙
君の手紙は
封筒は
チョコレートの匂いがするよ
それでぼくは
呼吸するように抱きしめる
孤独について書かれた手紙
それは鋭く聡明で
しかし その生意気さすら
愛しい、
生きている証
甘い香りに酔ったまま
君の心を抱きしめる
眠れない夜
女は知らない真夜中の
ある時間 ある瞬間
月が地上を照り付ける
僕が暑さと空腹に
眠れずにいるシーツの上
カーテンを抜けて照り付ける
月は美人だ 今夜も綺麗だ
満ちていようとなかろうと
優雅にこまめに光り輝く
ビルからビルへと飛び渡り
窓から顔を覗かせている男達へ
素早い目配せ零して
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