星祭り/シュガー・ソレイユ
いつか見た景色
輝く野原
「君も見たことがあるだろう?」と
耳元で聞こえたような誰かの声
「もう戻らない?」
疑問の声を心の片隅に留めたまま
今日も作業する
星はひとつでも
じっこでもない
せんこなのか
まん、おく、ちょう、けい・・・
暗号なんてとうに忘れた
星は
折り紙でもなくて
とげとげの突起は
それほど痛くもなくて
今、思えば
なぜ昔、あんなにビクビク拾っていたのか
イガイガは
案外甘い金平糖のように丸い
昔はともかく
今はあまい
口に入れたいほどに
君の口に入りたいと
誘うけど
今は耳に届かない
拾うべき 星が
星の草原
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)