空を想ふ/サル
空には雲一つとして無く、宇宙から見たこの部分はきっと僕が立っていることが何億光年の月日を経て確認されるはず。
実は太陽に支配されている地球の一角で、暖かい空気に誤魔化されて暮らしている、
それが僕ら。生きもの。
地球が回る時に起きたと思われる冷たい新鮮な風が、目を覚ませと言いながら温もりすべてを帳消しにするぐらいの勢いで僕に刺さる。
髪型を崩す。
服を乱す。
鳥肌が立つ。
そしてまた新しい恋にのめり込んでいく。
だろ?
だろ?
そうだろ?
それで、何億光年後かにそれを見て笑っている体を失った僕がいるんだ。
でまた僕は言うんだ。
「また生まれ変わるなら僕が良い」ってね。
そうやって繰り返されていく。
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