自己紹介/寅午
いつもぼくの頭の中では
警報が鳴りっぱなし
いつもぼくの前には
抜き身の刀をもった辻斬りが立ちふさがっている。
日常の些細な事ごとに神経をすり減らし
表の顔では平然をよそおう。
家に引きこもりがちな気質が
妄想をふくらませ、ぼくの心の苦しみに輪をかける。
なぜ、人はあんなに尖がっているのだろう?
まわりに殺伐とした空気をただよわせ
緊張をくもの糸のように張りめぐらしている。
なぜ、人はもっとアバウトになれないのだろう?
重箱のすみをつつくように
事ごとに文句を言い立てるのだろう?
ぼくにはその精神が理解できない。
人はいう、「おまえは平和主義者だ、 と。
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