まさ雪/わら
わた雪が
景色の中で降っていました
それが幻だということは
知っていました
幾重もの
ゆらゆら
ただよい降りて
白く、たどりつく
地の上へ
その音が耳の奥のほうで
こだましておりました
終わりの景色だというのなら
そうか、だから、
人が見当たらないんだ
だれもいない
黒く塗りつけられた夜の
あの建物の谷間にも
このアスファルトの一面にも
静かのままに
つらなりおちる
ひざをつく
目をつむる
まあーだだよ
もーいーかい
白い声が
遠くで響いている
ああ、
凍えるよ
おやすみ
銃声
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