遠距離恋愛/坂本隼人
 

「会いたい」

その気持ちだけが僕を動かした


遠い異国の地

彼女はそこに住んでいた

友人は毎日彼女と一緒だった

大学でも、夕食時でも、帰るときでも


そんな幸せな境遇にいるのによくケンカをしてたな

僕にはケンカでさえ贅沢に見えた


3ヶ月に1回

お金をためて異国へと飛び立った

ただ彼女に会うために

僕らに言葉は必要なかった

ただ抱き合ってればそれでよかった

それですべてが補えた


数日後、僕は日本へ帰る

寂しげな彼女の背中を見送って

数時間後、そこは現実だった

もう彼女はいない

さっきまでいた彼女はいない


そのたびに僕は涙した

そのたびに彼女の大切さに気づいた


だから僕は前を向く

また彼女に会いにいくために




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