にごり酒/
潔
どんなに大きく目を見開いて
どんなに頭を抱えてみても
今は昔の物語
なんの津波もやってこない
「思い出したい」意思を差し置いて
「思い出さない」意識が施錠する
あんなに一緒に歩いたのにね
あんなに一緒に笑ったのにね
あんなに一緒に溺れたのにね
あんなに一緒に夜を過ごした
あんなに一緒に慰めあった
そして…
お互いに傷つけあった
それなのに
それなのに
何もかもが夢と化した
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