頭痛に任せ/真紅
開いた穴を私の後ろで即座に埋める。結論は答えなのか。耳鳴り以外の音がふいに聞こえた。
長谷川だ。胸から血を流している。私に助けを求めている。近づく長谷川が透けて見えるのは病気のせいだろう。霞んだ目をこすると長谷川が二人になった。
迎えがやってきて長谷川は逝った。私は非力だ。私には結論しか残っていない。それは証明にはならない。なぜだろう。眠った夜を悔やむ。少しでも起きていれば。指を刺してでも眠気を遮ってさえいれば。
きっと私は結論に達する前に死ねただろう。
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