地下鉄と音楽/
ブライアン
地下鉄の暗い窓越しに、目を瞑ったと、音楽が聞こえた。
確かに、聞いていたはずの音楽が、より一層聞こえた。
聞こえる音楽の間で、さらにに目を瞑った。
音は、見えなかった。顔に刻まれつつある額のしわを撫でるように、
揺らす。
琴線に触れる、という言い回しは、なるほど、もっともだ、と思う。
揺られる間に、降りるべき新富町の駅に着いた。
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