ビー・ゼア/餅月兎
ったそれは
思い込みの激しい人の夢枕に立ち
脅しをかけたり
ナイスな金儲けの方法を囁いたりする
とりあえずわたしたちがそれを見ようと思ったら
夢でも見るしかない
それを期待して
一日の三分の一近くを
それに費やす
餌を付けずに糸を垂らす釣り人のように
わたしを見ることは
わたしには難しくて
あなたが見るわたしを
わたしが確認することもまた難しい
あなたはわたしの方を向いてはいるが
虚空を鑑賞しているのかも知れないし
わたしの額に貼り付いたお札(ふだ)を読んでいるのかも知れない
手をひとつ叩いたら
一切合切消え去って
それでもわたしはわたし?
あなたはあなた?
ほら
「パァン」
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