蹴り出す想い/beebee
 


孤立している、自分は
切実で自分を傷つける想いに苦しんでいる。
手は悴み目の前さえも探ることは出来ない。
顔は上げられず、目は足下を追うことで精一杯だった。
ふいに転がっている瓦礫を
思いっきり
蹴っ飛ばしてみた。
ガーンと
前にあった何かが大きな音を立てて壊れた。
それはもう復元不能なんだ、でも
思いっきり蹴り出す想いこそ、
自分の中で唯一真実だと思った。
左足を軸にして大きく踏み込んで思いっきり右足で蹴る。
爪先が当たったそれは
重力の法則をあっけなく否定して高く飛んで行った。
目の前にある何ものも全てを撲ち壊して飛んでいったのは、
ぼくの傷つける想いだ。
蹴り出せ、振り切れ、足を!
そして前にある何ものをも打ち壊そう。
全てを徹底的に壊そう。
復元不能に壊そう。
きっと壊そう。
蹴り出せ、振り切れ、足を!
蹴り出す想いこそが真実なんだ。

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