才能/よしおかさくら
 
きみが本気になったりしたら
わずかな時も持ち堪えられずに
やっつけられてしまうに決まっている
恐れを感じるなんて初めてのことだ
黙っていよう
きみに才能があることなんか
きみは
気づかなければいいんだ
気づかないでいることが
不可欠な要素なのかもしれないし

なのかもしれないし

たまに行ってきみの様子を
見張っていればいいんだ

きみに才能があることなんか
きみには
必要ないかもしれないんだし



知らないでいようったら
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