【ひとり短歌祭】「 ぼくは野良雪だるま。 」/PULL.
気まぐれ丸めて野良雪だるま家族をさがして彷徨い溶けて。
こんこん野良雪こんこん街に降れぼくの家族をつくっておくれ。
にゃーにゃーねぇねぇそこの三毛の子猫くんぼくらは野良の兄弟だ。
にゃーにゃー三毛の子猫くん喉が渇いたら舐めてもいいと言ったけど…。
日陰の雪よほれ溶けろでないとシロップ掛けて喰っちまうぞ…ククク。
夢の朝ぼくはきみに抱かれて溶けていたあのままずっと溶けていた。
明日すべてが溶けてしまうその前にきみの名前をぼくにください。
汚れちまった雪だるま洗って乾かしさようならまた来年。
了。
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