蝶/
poorguy
は
虜となった生娘に
ゆっくりと ゆっくりと
音も無く忍び寄る
捕食する為に!
触れれば光の粉となる羽衣を
恐る恐るつまみ上げ
娘を舞台へと放つ老人は
脚を引きずりながら
元いた揺り椅子へ戻りまた耽(ふけ)る
緩やかに上下する彼女の動きを追うでもなく
やがて眠りに就いた老人の肩に
ほんの一度だけ身を安め
アゲハ蝶がゆらゆらと泳ぎ
風そよぐ窓から外の世界へと出て行った
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