いただきます/
亜樹
はわかる。
祖父は随分前から糖尿で食事制限がされている。塩気の薄い食事を、彼はいつももそもそ食べる。そのくせ一向に煙草はやめない。
生きる上で、「食事」というものの地位はどれくらいのものなのだろう。思ってるよりは低いと思う。考えるよりは、高いと思う。
こんなことをくだくだ考えながら、ベルトの穴の位置を気にしながら、新作のスイーツのカタログを眺めながら、手を合わせる。
「いただきます」
この一言が免罪符だ。
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