白銀の狼/poorguy
悪戯に死を弄ぶ者を
残虐な笑みをたたえた顔を
全身の毛を逆立たせ昂ぶる私に頬を寄せ
満月はもう一度優しく微笑んだ
そっと目を閉じてごらんなさい
後ろにたたずむ者は誰?
二度と逢えるはずの無い懐かしい香り
そして振り向けば貴方
嗚呼、
これが本当ならば
私はもう何もいらないのです
これが本当の事ならば
共に駆け抜けた真夏の草原に戻りましょう
人は変わらず殺し合っているけれど
私達は永遠の愛を知っている
滝つぼの飛沫に輝く朝陽の恵みを受けて
生まれたあの場所に戻りましょう
とこしえに続く時間の粒の中
神の化身の肉体は
安らかな眠りに就いた。
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