白銀の狼/poorguy
 
狼よ、
何ゆえ人を憎むのですか

丘の上の孤独な魂に
真っ赤な月が涙を落とす


愚かなる二足の獣達は
私の愛する者を連れ去った

二度と帰らぬ影の為
喉笛を切り裂き続ける
それだけが私の生きる意味

銀色の髪をなびかせて
返り血にまみれた戦乙女がつぶやく


天空に舞う鮮血の瞼は大地を示して言った


高潔たる哀しき旅人よ
愚者の営みを見渡しなさい

人は戦を繰り返すもの
逆巻く炎は自らを焼き
お前がせずとも人は滅びる

淡くまたたく夜の女神は
星屑の胸に抱きしめた


それでも私は忘れられない

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