橋の途中/小川 葉
 
肩と肩を結ぶ橋がある
とても近いのに
隔たれた距離を
牛が渡って埋めに行く

雲はあんなに白いのに
空の青さはこんなにも切ない
橋から見える景色が
いつもそうだったように
この部屋も
同じくらいに霞んでしまう

キッチンに行って
背中を向けた
あなたの肩がまた遠くなる

橋の途中で立ち止まり
振り向いたまま
牛が悲しい顔で
僕を見てる
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