亡骸の晩餐会/雨霧
 
しまってもいい。
ただ君に居て欲しい

君が居て欲しい
共に笑いあう世界でなくていい 泣いていてもいい
それでも君が居て欲しい
君と二人の世界が欲しい

残骸の破片から 失った物の大きさを知る――それさえも。
君と共にならばそれで良かった。

君が居てほしい
君と二人の世界が欲しい
新しくなくていい
誰かの使いまわしでいい
素晴らしいものでなくていい
安物の世界でいいんだ
ただ君が居てほしい
君と二人の世界が欲しい

そして。

そっと触れた 呟いた
その言葉に君は泣き


苦しいよとその亡骸は。
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