ビブラート/こゆり
 
海面を
半音ずつ上下させ

間隔を
少しずつ狭めていくと

音もなく
止まったように

張り詰めた海面は膜を張り
そのずっと深くに沈んだわたしを
柔らかく包み
すくい上げる

夕日は
震えるわたしを照らし
眩しいので
孤独を
思う

そんな人が
まわりにけっこういて
気づけば
いろんな人が
いた

わたしは
あなたの手を取って
短く
その時を刻む
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