クマメモ1/あすくれかおす
 





ひさしぶりに小学校へ行く
わたしが覚えている校庭のシロクマは
わたしが中学生になっても 高校生になっても
いつだってシロクマのまんま

青い瞳で じっと鉄棒を横から見つめながら
足の根っこを地面にくっつけて
わたしが初めて逆上がりできたときも
こうもり傘しながら考え事してたときも
いつだってシロクマのまんま

高校を卒業するとき 
わたしは久しぶりにこうもり傘をした
そのときシロクマが 初めてしゃべった



「だれかに話したいことがあるんだろう
それをきちんと話してみなさい
君がちらちら考えたことのすべてに
ちゃんとした譜面をつけてあげ
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