その時、ぼくは十七歳/
狸亭
愛は、奪うか,与うるか。
女の影に呆けたか。
金が無いから夢を見る。
夢の中へと紛れ入る。
恍惚と不安と二つ。
脳に膨らむ生き菩薩。
青い花は遠く離れ。
額から胸まで溢れ。
血の酸鼻、夜の悔恨。
赤と白、昼の怨恨。
つまらない、つまらないの、と。
口癖の、女の愛と。
昼と夜のだんだら縞。
迷い歩いた女護ガ島。
その時、ぼくは十七歳。
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