白の世界/もこもこわたあめ
太陽が闇を侵食しようとしてる直前
一匹の首輪のない犬が
いつもの散歩道だろうか
時折道端にうち捨てられたボトルに鼻を
近付け歩いていく
ボクは身を縮ませながら
そんな風景に降り立つ
そこには銀世界というには幼い
白の世界
太陽も闇も 犬もボトルも そして……
ありとあらゆる全てを
生きるものもそうでないものも
ただ優しく包みこむような白の結晶
太陽が闇を侵食しようとしてる直前
ボクはひとつ願い事をした
この世界がほんの少しだけ時間をとめてくれるように
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