死者たち/Utakata
らいのないふりをして みぎてを)
夜空を見つめる
はるか昔に死んだであろう星たちの光が未だに残っている
彼らの傍を廻っていたであろう大地のことについて思ってみる
死に絶えても光さえ残さないもう一人の僕らの最後を思う
街灯の明かりが遠くまで延々と続いている
(ごめん やっぱり)
僕たちが死んで
一匹の蝿が宇宙を擦り減らすまでのあいだ
天国の時計は一秒も進んでいない
死後の世界なんて要らないと思う
僕たちは百年後の世界のことを未だに語り続けている
(さよなら)
***
くらやみのなかで 僕たちは小さく啜り泣きあう
お互いのぬくもりから まだ宇宙が温度を保っていることがわかる
無数の未来の死者のあいだで 生まれてくる心臓が小さく身じろぐ
永遠と名づけられた僕らの外側に向かって
僕たちは泣いていないふりをしながらゆっくりと笑って右手を振る
また ね
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