ぼくらの呼吸の行方。/哀詩
 
 
ぼくらが望んだのは、
お互いが空気のような存在感だったの。
ちゃんとあるときにはそのたいせつさにきづかないで、
いなくなるだなんて想像もできなくって
でも じっさいに
なくなっちゃえば、 呼吸だってつづかなくなって、
ぼくら、じんせいを止めてしまうような

そんな恋だったの。

青い影をおとしたきみのラインをなでたら、
くすぐったそうにからだをよじらせたから
にがさないようにそっとまわしていた手のなかで
きみはいつのまにか空気になっていたの。

ぼくはばかだから、
この手のなか、きみが
きみが空気になっただなんてきづかないで
ただ日々をなげいていたからなのか、
いつのまにか暗いひかりに目を中てられて
なんだか世界との境界線をうしなってしまったの。


(そうしてぼくらは6億とひとつめに、ひとつになったの。)

 
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