二月一日/水町綜助
 
電車の中で目を閉じている
線路の小さなおうとつに床板が小さく震え
進んでいくのがわかる

まひるに
道路の上で
ビルに両端を
切り取られてしまったひなたで
ぼんやり煙草を吸っていた
その道は坂道で
僕は駐車場のフェンスを背に立って
道に向かっていた
一時を回ったばかりの
2月1日は
明るすぎるほどに青くて
茶色がかった舗装路も
からすも濡れ羽が仄青くて
風が吹いている静かな
動きで
影が伸びている
街頭の
点灯していない
黒さが

息が白くない
吐く息、息が
取り返しもつかなく
流れる車中のそと
縦横
無尽に流れている
やはり僕の視界のき
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