メランコリエ/ぬ
グールモンに負けないくらい君の名を描いた。雪は君に降りかかり、また僕に降りかかった。そのどちらも積もらずに溶けた。夏の強い日差しは君の輪郭を濃くした。僕の記憶のほとんどが君との共有点で、それ自体が強い光を放ち影を消した。
どれ程、その一瞬一瞬が恋しくいと惜しかったろうか。
もうほとんど忘れてしまった。
昔、記憶と言うものの全ては過ぎてしまったことなのだ。
雪が降っている。
雪が降っている。
雪が降っている。
雪は君に降りかかると積もらずに溶ける。消えてしまう定めと知りつ、それでもなお降ってくる。
遠くお空の始まるとこから、200キロほど進んだ場所。あの、チャ
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