純粋正義への架橋6/チャオ
無限小数が、当たり前のように存在するこの世界。
ひとつのものを、三人で分けるとき、量的に均等に分けることは不可能であるという表現。
はたして、本当にそうなのだろうか?
ひとつのものを、二人で分ける時といったい何が違うのだろうか?
「数」の表象の限界性がそこにある。物それ自体に内面性を求めない、数学的解釈には限界が生じるのだ。虚数や、分数といった、ありえない「数」を捏造することで均衡を保ち続けようとしている。
ありえない「数」の捏造。
それは、一見、嘘であるかのように僕たちの前に表象される。だが、僕らが描く言葉についてさえも、それは同様に感じられるのだ。
ありえない言葉の捏造。
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