抽象世界の散文小説/相良ゆう
思った
例えば極端に短い物語、そうたとえば電車の中でふと隣を見たら誰かと目が会ってお互いに慌てて逸らせたなんていう極端に短い一瞬の物語があったとしても、その物語にすら結末が与えられるのはなぜなのかを、ずっと疑問に思っていた
終わらない歌を歌おうくそったれの世界
終わらない歌を歌おうすべてのクズ
無性に腹が立ったから中途半端な結末を歌った
おわーらないものな〜んてない
そう悟ったのは優しく無慈悲な否みをあたえられたから
その顔で拒まれたらいったあどんな救いがあるというのか
優しさほど残酷なものはない
そう思った私は人と係わり合うのを辞めた
物語は終わらないと知ったのはその後しばらく経ってからだった。
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