こときり/いとう
等であることを思へ!
軌道エレベーターの描く直線は憧れと拒絶とをない交ぜにしたアイナメに舐められたナメクジの触覚が慟哭とともに相克する盲目の興国と刻等の透谷、コクトー! ジャン・コクトー!
神秘の事故、天の誤算、
僕がそれを利用したのは事実だ。
それが僕の詩の全部だ、つまり僕は
不可視(君らにとっての不可視)を敷写(しきうつし)するわけだ。
こときり!
それは未だ成されざる理(ことわり)を切り裂く雨情にも似た
それは未だ成され得ぬ理(ことわり)に注がれる無上の霧にも似た
それは未だ利用されざる神秘の事故、天の誤算、僕の詩、以外のすべてにも似た
こときり!
不可視(僕にとっての不可視)
敷写(しきうつし)されるべき不可視
未だ切ることのない、
未だ毟り取ることのない、
神秘の事故、
天の誤算、
そして、
詩人の血よ
※三連「神秘の事故、天の誤算、〜」…ジャン・コクトー作「自画像」より
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