はなから、悔い/clef
雲のかたちがはっきりしてくるのは、まちがっ
ていることにいきどおっている、そのあらわれ
なのだと、すっと、受けとれる気がする。わた
しのぎざぎざのところにひっかかっている朽ち
かけた木っ端だの、花火の残がいだのが、流れ
ついたのは偶然ではなくて、自分で望んでいた
ことなのだと、今はわかる。先がほぐれてしま
ったささらは、やわらかくなってしまえば、な
んの役にもたたない。なぜ、荒んだものになろ
うとするのだろう。だれも望んでいないのに。
こえもおとも聞こえないから、わたしはそっと
見ていることにするよ。
いろを聴くのも おとを見るのも 遠すぎるし
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