おじさん/つばくらめ
 
と信じきっていた

それがどうだ
どうも、と細い声で
湿疹の消えない手の甲を差し出した自分は
シゴトを売って対価を得る気にもなれず
とはいえ道を外れる決意もできず
もっと不可解な理屈ばかりこね回して
ネットの片隅に垂れ流している

少年は笑う
僕は取り繕う
少年は駆け出す
僕は逃げ出したくなる



今日初めて
道行く少年に おじさん と呼ばれた
スーツを着ていたからだと思うけど

ひょっとして、
あのおじさんもつくり笑いだったのか
そこまで考えたところで
僕はヘッドフォンをし直した
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