手違い/小川 葉
 
た日のこと
妻と偶然恋に落ちたこと
妻に偶然プロポーズすることになった
あの夜のこと
全ては何かの手違いで

翌朝
隣の旦那さんが
偶然家の前にあらわれた
なんでもあれから
朝までわけもわからずに
反対の方に走り続けてるうちに
いつのまにか元に戻ってたそうだ
今回はさすがに
これは偶然という他ないので
旦那さんは奥さんを連れて
隣の家に帰っていった
お世話になりました
と言って
久しぶりに手をつなぐような顔をして
塀の向こうに消えていった

二人を見送ってから
家に入る前に
ふと何かを思い出したように
郵便受けを開けると
そこには何かの手違いで届けられた
妻からの手紙が入っていた
それは全くの
偶然だった
戻る   Point(3)