夜だった。一人だった。/
鴫澤初音
はどうやら確かにああ、と声を漏らしさえした。でも2回目になると(「ああ」と声を漏らしはしたけれども)本当に気持ちよくはないのだと自覚していた。見下ろすとやっぱり坊主頭の少年だった。よく考えてみると知らない人だった。
トイレに入ると大きな鏡があって、一昨日までの僕とおんなじ顔だった。朝だった。小便をするためにジッパーをずらすと、勃起したペニスに緑色の斑点が浮かんでいた。男性ホルモンが出なくなったからかなあと考えた。
戻る
編
削
Point
(2)