colorless/鴫澤初音
 
を待ってるのはとてもこわいので、まけじと貧乏ゆすりをはじめると、自分が家を揺らしているみたいであんまり愉快なので笑いながら、どんどん貧乏ゆすりしていると、目の前に鏡があって、半笑い顔で貧乏ゆすりしている自分の姿を目撃し、然るべくして貧乏ゆすりをやめるのだが、地球はまだ揺れており、人間は無力だ、とわたしは結論付けた。

  
関係ない話だけど、友達は、ペニスが入ってくるときの感触を、「わたしは、それを果物に喩える」といった。いろいろな果物に喩えて、その感触を概念化することによってその快感が深まる。性的快感と味覚の未知のリンクが生えていく。「でねでね、いちばんいいのが葡萄。」と彼女は言う。「しばらくしてない」とわたしは言う。「めげるな」と彼女は言う。

  
黒い、黒い、黒いよー!黒い、黒い、黒いよー!黒い、黒陽に、洋に、酔う男は海抜メートルに浮くなすすべなくいつか
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