平熱/
簑田伶子
体温の変化って
すごいね
+
うるんだ夕刻の
スプリンクラーからは
雨
しずまないでいる陽が
不遜で
わたしたちは
落日みたいなことばで喋る
+
無果汁が降る
ビルの
頂上と
こどものころの話をして
ずるくなりたい
バスルームの
窓
休日なので
正午のサイレンは
なしです
+
なぜか
桃の産毛のことを
考えたりして
帰るところには
庭があればいいね
36.4℃、平熱
よく知らないひとが
詩人でうれしい
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