ひっきょうの心根。/哀詩
そういえばの心意気はもうとっくになくしたの
とりあえずの程度では夢を追うこともままならずに
たったひとりその気分を満喫、たたずんでみた。
さすればきみが愛おしくなって
いわゆる思春期の憧憬そんなものに
この身をこゆるりとひたしてみればなんでもない
そこには高揚感はなくただの喪失感と愚考がまっていた。
恋慕などを格別罪悪と格式化したい訳ではないの
ただ馳せた想いがとどまることをしらない場合にそなえての
自制心がはたらいた瞬間に淡白な感情との烙印を押されては
さすがの思慕も存在の境界線をあやふやにしてしまっていた。
所詮そんなものとばかにされてはこの心が黙っていられず
はたと正気にもどったころにはとうにそのお姿は視界にあらず
くまなく探せば落としていかれた残骸、ひとつ
かけらが破片となって心臓につきささっている、つまるところ
否応なしにも一心同体、透明なあなたが寄生するこのからだ。
畢竟の心根はもう、捨てたよ。
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