きっと/川口 掌
 
っと


気泡の立ち昇る空を鳩が舞います
触れる瞬間弾ける泡
それは
見える者が見えない者へと変わる
そんな瞬間
立ち並ぶ
コンクリートブロック
頑丈な 巨大な 威圧的な
真実
灰色の雲から降る雨は
泡も
ブロックも
等しく包み溶かし何もかも洗い流します
残される
其処には
逃げる場所も
隠れる場所も在りません


この人はお腹が空いています
その人はお腹が空いています
あの人はお腹が空いています
きっと


許される事の訳を見つけるため
明日歩いた街を
昨日歩いた街を
今日の何処かに探します
きっと
見つからない

だけど
言い訳は
見つけました




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